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足の痛み

足底腱膜炎  扁平足と後脛骨筋腱機能不全  外反母趾  痛風  モートン病  巻き爪・陥入爪  母趾種子骨障害  外脛骨障害(有痛性外脛骨)  足底線維腫  足根骨癒合症  第5中足骨骨折  骨端症

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足底腱膜炎

症状
長時間の仕事や歩行で、かかとからかかとの内側前方に痛みが生じます。階段を上る際や、つま先立ちなどで痛みが増悪します。中年女性に多く、朝起床して最初の1歩目に痛みを感じます。歩くうち徐々に軽減し、夕方になって歩行量が増えるに従い再び痛みが強くなってきます。スポーツの際も同様で、ランニングなどの開始時は痛みを強く感じ、運動を続けるうちに徐々に軽快し、長時間になると再び痛みが強くなってきます。

原因
足底腱膜とかかとの骨が付着する部位には、強い牽引力とともに、着地時の荷重による衝撃の両方が加わることで、過大な負荷が集中します。長時間の立ち仕事や歩行、体重増加、靴の不適合、スポーツによる使い過ぎが主な原因と考えられています。

病態
足底腱膜炎は、繰り返す負荷により、足底腱膜とかかとの骨との付着部に微小外傷や変性が起きることで痛みが生じる、腱・靭帯付着部症(エンテソパチー)の一つです。レントゲンで石灰化、骨化、かかとの骨に骨棘がみられることもあります。

診断
以下の症状があれば足底腱膜炎と診断されます。
・足底腱膜とかかとの骨の付着部周囲に圧痛(押したときの痛み)がある
・長時間の立位、歩行、走行、歩行開始時のいずれかの時に、足底腱膜とかかとの骨の付着部周囲に痛みがあらわれる
・神経の圧迫による障害(足根管症候群等)、筋・腱の部分断裂(後脛骨筋腱機能不全等)、反射性交換神経性萎縮症(RSD、CRPS)、足底腱膜線維腫症等は除外する

治療
おもに保存的治療を行います。
理学療法
アキレス腱や足底腱膜のストレッチを行います。
脚の形に合った靴を履く、かかとの負荷を軽減し足のアーチを支える足底挿板(中敷き、インソール)を使用します。
薬物療法
痛みを和らげるため、非ステロイド系消炎鎮痛薬の外用剤や経口剤を用います。
痛みが非常に強いときはステロイドの局所注射を行うこともありますが、かかとの脂肪組織の萎縮や足底腱膜の断裂のリスクもあり注意が必要です。

足底腱膜炎パンフレット

 

扁平足と後脛骨筋腱機能不全

土踏まず(足底のアーチ構造)がなくなった状態を扁平足といいます。小児期の扁平足では成長とともに自然とアーチ構造が形成されることが多く、あまり問題になることはありません。大人になっても扁平足がそのまま多少残っていても、痛みはあまりありません。これに対して中年以降に発症し、加齢とともに足底のアーチ構造が壊れていく扁平足では内側のくるぶしの下の腫れや痛みを伴うことがあり、成人期扁平足と呼ばれます。
初期には足の扁平化は目立ちませんが、しだいに変形が進みます。つま先立ちがしにくくなり、さらに進行すれば足が硬くなって歩行が障害されます。

原因と病態

扁平足になる原因として、変形性足関節症や関節リウマチなど様々な疾患がありますが、その一つに後脛骨筋腱機能不全症(PTTD)があります。

足にはアーチ構造があり、効率よく体重をささえています。後脛骨筋はふくらはぎから、内くるぶしの後ろから下を通って、足の内側(足舟状骨)についている筋肉で足部を底屈(つま先を下に向ける)や内返しする働きがあり、アーチ構造を吊り上げて支えています。これと反対に作用する筋肉として腓骨筋があり、足部を底屈したり外返しする働きがあります。この2つの筋肉がバランスを取ることで足はまっすぐに保たれています。しかし、足の縦アーチは内側が高いため、腓骨筋よりも後脛骨筋にかかる負荷が大きく、加齢によって後脛骨筋が傷んでくる(変性・断裂)とアーチが支えきれず低くなり扁平足になります(後脛骨筋腱機能不全)。成人期の扁平足は女性に多く発生します。

症状

・内くるぶしの下が腫れて痛い
・立位で後ろから足を見た時にかかとが外を向いている
・片足でつま先立ちができない

診断

足が扁平化し、かかとが外を向くようになると後ろから複数の足指が見えるようになります(too many toes sign)。また、片足でつま先立ちができなくなります(single heel rise test陽性)。重症度は体重をかけた時の足のレントゲン像で評価します。
後脛骨腱の異常はエコーやMRI検査を行います。

治療と予防

まずアーチの低下が明らかな場合は、アーチを支え、後脛骨筋腱にかかる負担を減らすためにアーチサポート付きの足底板(インソール)を用います。アーチを支えることにより、疼痛は緩和されます。
足指の筋肉はアーチを支えるのに重要です。これを鍛えるためには裸足での生活を心掛け、足指を使うようにします。痛みに応じてアーチを支える足底の筋肉を鍛えるために以下のような運動療法を行います。
・足指の曲げ伸ばし(タオルギャザー運動)
・ショートフットエクササイズ(Short foot exercise)  名前からイメージする通り「足を短く」するように動かす体操で、足のアーチを形成する内在筋を強化する為のトレーニングです。
・つま先立ち
予防には適正体重を保つことが大切です。アキレス腱が硬くなっているので、ストッレッチ体操を行います。

重症化すると、足底版や運動療法では痛みが取れず、手術が必要になることもあります。そうならないためにも、上記の症状がある場合はお早めにご相談ください。

成人期扁平足パンフレット①  成人期扁平足パンフレット②

 

外反母趾

症状

特徴的な症状は足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに「くの字」に曲がり、つけ根の関節の内側の突き出したところが痛みます。その突出部が靴に当たって炎症を起こして、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。
靴の歴史の長い欧米人に多い病気でしたが、最近は日本でも急速に増えています。

原因と病態

外反母趾の一番の原因は靴を履くことで、幅の狭いつま先が細くなった靴を履くと母指のつけ根から先が圧迫されて変形します。ヒールの高い靴はつけ根にかかる力が増えてさらに変形を強くします。

10歳代に起こるものは母指が人差し指より長かったり、生まれつき扁平足ぎみであったりする外反母趾になりやすい特徴があります。最も多い中年期のものは履物に加えて、肥満と筋力低下などによっておこります。

健常な足には縦のアーチだけでなく横のアーチがあります。外反母趾ではこれらのアーチが崩れて扁平足になると、中ほどにある母指の中足骨が扇状に内側に開き、それから先の指は逆に靴で外側に圧迫されておこります。

診断

変形は見た目に明らかで、痛みの程度が問題になり、母指の飛び出しを指で押すと痛む、靴を履いたときに痛む、靴を脱いでも痛むなどに分けられます。

靴を脱いでも常時痛むようになると手術が必要になります。

治療と予防

予防

母指のつけ根はフィットして先はゆったりとした履物を選びます。
足の指のすべてを開く(グ、チョキ、パー)ような、外反母趾体操を毎日行います。
両足の母指に輪ゴムをかけて足先を開く体操を行います。
母指と人差指の間に装具をはめます。
外反母趾体操(足の指を開く運動) 外反母趾用装具

手術療法

変形が進むと指についている筋肉も変形を助長するように働き、体操や装具ではもとに戻りにくくなります。痛みが強く、靴を履いての歩行がつらくなると手術をします。
外反母趾の手術法にはいろいろありますが、最も一般的なのは中足骨を骨切りして矯正する方法で、変形の進行の程度により方法を選んで行っています。手術は腰椎麻酔などで行われ、翌日から歩行が可能です。従来の靴が履けるようになるのには2ヵ月間ほどかかります。

外反母趾パンフレット

 

モートン病(Morton病)

症状

個人差はありますが、第3-4足趾間(第3趾と4趾の向かい合う側)のしびれ、疼痛、灼熱痛などの多彩な神経症状が出現します。前足部足底の小さな有痛性の腫瘤を主訴に来院することもあります。障害部位は、第2-3、4-5足趾間のこともあります。
また、痛みは強いことも少なくなく、時には、下腿まで及ぶことがあります。

原因と病態

原因

中腰の作業やハイヒールの常用など、つま先立ちをする格好が長時間続くと起こりやすくなります。槌趾変形(マレット指)がある場合にも同様な姿勢で生じやすくなります。

病態

深横中足靱帯
槌趾変形がある場合や中腰の作業、ハイヒールの常用などで趾の付け根の関節(MP関節:中足趾節関節)でつま先立ちをすることによって、足趾に行く神経が中足骨間を連結する靱帯(深横中足靱帯)のすぐ足底部を通過するため、この靱帯と地面の間で圧迫されて生じる神経障害です。
圧迫部の近位には仮性神経腫といわれる有痛性の神経腫が形成されます。中年以降の女性に多く発症します。

診断

障害神経の足趾間に感覚障害があり、中足骨頭間足底に腫瘤と同部のティネルサイン(神経傷害部をたたくとその支配領域に疼痛が放散する)があれば診断は確定できます。また、足趾を背屈するか、つま先立ちさせる痛みが強くなります。

確定診断には、レントゲン検査、MRI検査、超音波検査などを必要に応じて行います。

治療

まず、足底挿板などを用いた保存的治療をします。
3ヵ月ほど様子を見て症状が回復しないものでは手術が必要になることもあります。

保存的療法

局所の安静(作業肢位、ハイヒールの禁止)、薬剤内服、足底挿板、運動療法、ブロック注射など。

手術療法

神経剥離、神経腫摘出、深横中足靱帯の切離等の手術が行われます。
詳しくは整形外科医にご相談ください。

 

母趾種子骨障害

母趾種子骨障害とは
母趾の種子骨は、母趾を屈曲する短母趾屈筋腱の中に2つあり、母趾が大きな力を出せつように、また衝撃を吸収する役割があります。この種子骨の炎症や骨折などが生じて、母趾の付け根の関節(MTP関節)の足底側に痛みや腫れを生じる状態です。

症状
荷重時や、踏み返し動作で母指を上へそらすときに、MTP関節の足底側に痛みが出ます。それによって歩行やスポーツなどに支障を生じます。痛みのために母趾を上へそらすのが困難になります。

原因
よく走るスポーツや、踏み込み動作の多いスポーツや労働などで、強い外力や、繰り返すストレスがかかることにより発生します。母趾の2つの種子骨は、MTP関節屈曲力の効率を上げ、着地の衝撃を和らげていますが、体重の多くを支えています。そのため運動量が多かったり、外反母趾や甲高の足(ハイアーチ)などの変形があると障害が生じやすくなります。

病態
障害の主なものは急性の骨折、疲労骨折、炎症、二分種子骨、骨壊死、感染、関節症などがあります。

診断
以下の症状が認められた場合、母趾種子骨障害と診断されます

MTP関節(母趾付け根の関節)の足底側に腫れと痛みがある
母趾MTP関節の足底側に押すと痛いところがあり、母趾を上へ反らすと痛みがより強くなる
原因となる運動や労働をしてから症状が出現した、あるいは足に外反母趾などの変形がある
画像検査で種子骨の骨折や血流障害による壊死などが認められることもあります

治療
保存療法が基本となります
保存治療
原因となったスポーツや労働などを制限
炎症をおさえるために薬を使用
骨折などの場合は固定や荷重制限
テーピングで母趾へのストレスを軽減したり他趾との機能連携を改善
母趾が反りにくい靴、クッション性の良い靴底を選びます
足底挿板で痛む部分を除圧
症状が軽快したら、再発予防のために足底腱膜のストレッチ

手術療法
。保存療法を行っても効果がない場合に考慮します
。手術療法には種子骨の全摘出術や部分摘出術があります

母趾種子骨障害のパンフレット

 

外脛骨障害(有痛性外脛骨)

外脛骨とは?

 外脛骨とは足を構成する骨の一つである舟状骨の内側に位置する余分な骨(過剰骨)のことを指します。約15%の人に存在すると言われており、外脛骨障害は思春期の運動量の多くなる時期(10−15歳)の特に女性に多く発症するとされています。思春期に急激な運動の後や外傷(捻挫など)で症状が出現するようになりますが、骨の成長が止まる頃には治まります。また、成人では捻挫などの外傷が原因で痛みが発症することもあります。痛みの原因として外脛骨が靴に圧迫されることや外脛骨への筋肉からの牽引ストレスの場合があります。

外脛骨障害の原因は?

1.外脛骨と舟状骨の間で微細な動きが生じると痛みを誘発させます。
2.外脛骨部分にストレスがかかり痛みを誘発させてしまうこともあります。
 通常舟状骨に付着している後脛骨筋ですが、外脛骨がある場合、舟状骨ではなく外脛骨に付着しています。扁平足など足のアーチが潰れてしまっている人は、後脛骨筋は常に緊張しアーチを上げようとします。このとき外脛骨は後脛骨筋腱とともに引っ張られ、舟状骨との間に炎症が生じてしまいます。
 

 

症状

・うちくるぶし周辺の痛み
・腫れ
・歩くと痛い、走ると痛い
・スポーツ中に痛い
 

画像・診断

 外脛骨を押して痛みがある場合、スポーツ活動時に同部の痛みがある場合、単純レントゲン画像で外脛骨を確認できた場合に診断となります。
単純レントゲン画像における外脛骨の形態は3種類に分類されています。また骨や付着する腱や周囲の状態を確認するために、超音波やMRI検査を追加することもあります。

Ⅰ型:外脛骨の大きさは小さく、舟状骨から分離して、後脛骨筋腱の中に存在する。
Ⅱ型:外脛骨の大きさは大きく、舟状骨と線維性または線維軟骨性に結合して、後脛骨筋腱の付着部の一部となっている。
Ⅲ型:骨性癒合して舟状骨と一体化し、外脛骨は突起状となっている。
この中でⅡ型が最も痛みを発しやすいタイプです。

例)
単純レントゲン画像


両足に外脛骨が見られます。
 

治療

保存療法と手術療法があり、骨の成長が止まる頃(15~17歳)には自然治癒することが多いため、第一選択として保存療法で治療を行います。

・保存療法
 消炎処置、痛みの軽減のために外用(湿布)や物理療法(超音波治療器)、アイシング(冷却)で患部の炎症を抑えます。また、症状の度合いによっては運動の休止を検討します。炎症が落ち着いた後、足関節、足部の筋力強化や負担のかからない動きを獲得するために運動療法を行っていきます。足部のアーチ(内側の縦アーチ)が低く、外脛骨が靴に擦れてしまう、後脛骨筋の引っ張る力が過剰に働いてしまい痛みを生じている場合には アーチサポートのためのテーピングや足底板(靴の中敷、インソール)が有効です。リハビリテーションも重要で、後脛骨筋を中心とした足首周囲の筋力強化・ストレッチを行い、患部に過剰なストレスが生じないようにします。スポーツ復帰に関しては、医師と相談をしながら復帰を検討していきます。

・手術療法
上記保存療法を行い症状の軽減が見られない場合、痛みを繰り返してしまうケースでスポーツ活動の制限が強い方は手術で外脛骨の摘出や、ドリリング(骨に数カ所孔を開けて骨の修復を誘発させる手法)を行います。

 

足根骨癒合症

足根骨(足の甲から踵付近までに存在する7個の骨)はそれぞれある程度の動きがありますが、部分的または完全に癒合(くっついている)することにより痛みなどの症状を出す疾患です。

症状

成長期にスポーツや軽い外傷をきっかけに癒合部位に痛みを発症することが多いです。

原因

骨の発育異常が原因となる先天性疾患と考えられています。

病態

骨同士の正常な動きが制限されるため、癒合した骨の周囲の負荷が大きくなり痛みが出ます。
癒合部位として、距骨・踵骨間、踵骨・舟状骨間、踵骨・第一楔状骨間の順に多いです。

診断

以下が認められた時、足根骨癒合症と診断されます。
・歩行時や運動時に痛みがあり、癒合部の圧痛(圧迫による痛み)がある
・赤み、熱感などの炎症所見は認めない
・画像検査で骨の形態異常がある

足根骨癒合症では特徴的なレントゲン所見があります。
距踵骨癒合症:Cサイン・dorsal talar beak sign
踵舟状骨癒合症:anterior nose sign
が特徴的です。

∧距踵骨癒合症のCサインとdorsal talar beak sign


∧踵舟状骨癒合症のAnterior nose sign

治療

保存療法
スポーツ活動制限、インソール使用、装具やギプスによる外固定で癒合部への負荷を軽減などを行います。

手術療法
癒合部切除を行います。

足根骨癒合症のパンフレット①

足根骨癒合症のパンフレット②

 

第5中足骨骨折

足首をひねるケガ(いわゆる捻挫)の際に、足関節の靭帯損傷(前距腓靭帯損傷など)ではなく第5中足骨骨折が起こることがあります。

第5中足骨の中でも、根本(基部)付近によく起こる骨折ですので第5中足骨基部骨折とも呼びます。

症状

荷重時、歩行時に足の外側に痛みがあります。

検査・診断

病歴と受傷機転を伺い、痛みのある部分を確認したのちレントゲン撮影を行い骨折の有無を確認します。折れ方によってわかりにくい場合もありますのでその場合はエコー検査をしたり、経過観察中に再度レントゲンを撮ります。
 

治療

多くの場合、保存的治療を行います。
下腿~足部のシーネ固定により骨折部の安静をはかります。
骨癒合がみられたらシーネを除去し、足関節の可動域訓練と足関節周囲筋のストレッチ・筋力訓練などのリハビリテーションを行います。

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