トリガーポイント注射
トリガーポイント注射とは
トリガーポイント注射は、トリガーポイントに薬剤を注射することでトリガーポイントを消失させる手技です。
トリガーポイント注射の主たる奏効機序は、痛みの悪循環を断つことです。すなわち、
①侵害受容器の感作に関する因子を希釈、消去することによる痛み刺激の減弱化、
②局所麻酔薬による、活性化した末梢神経活動の抑制、
③トリガーポイントから上行するインパルスにより脊髄反射的に活性化していた運動神経活動および自律(交感)神経活動を不活性化することによる筋緊張の緩和および血管収縮の解除、
④筋緊張の緩和および血管収縮の解除による血流の改善です。
トリガーポイント注射には局所麻酔薬が用いられることから一時的な鎮痛を得るための手技と誤解されがちですが、過敏化した筋・筋膜の環境をリセットし、痛みの悪循環を断ち切ることができるため、根治療法となりえます。
当院ではトリガーポイント注射に、ネオビタカイン®︎を使用しています。
ネオビタカイン®︎は、トリガーポイント注射に広く用いられている局所麻酔薬と消炎鎮痛薬の合剤です。
局所麻酔薬が含まれているため、極量に至らないよう5mlを超える量の薬剤は使用していません。
トリガーポイント注射は、筋の圧痛(押すと痛い)部位の硬結(筋肉などが硬くなること)に局所麻酔薬を注射すると痛みが改善するという治療法です。
後頭部、前額部、頚部痛があり、胸鎖乳突筋に圧痛のある方は、胸鎖乳突筋のトリガーポイント注射で症状の改善が期待できます。
ただし胸鎖乳突筋の深部には重要な動脈(鎖骨下動脈など)が存在するため、超音波ガイド下にトリガーポイント注射を行い血管内誤注入のリスクを低減しております。
※参考資料:https://triggerpoint-net
費用
健康保険の適応ですので、ご安心ください。
トリガーポイント注射の保険点数は80点(1点=10円)となります。3割負担の方では、自己負担額は240円です(その他、診察費、薬剤費がかかります)。