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整形外科のクスリ

整形外科でよく処方される薬についてご紹介いたします。
近年は新しい治療薬が次々に開発され、ジェネリック医薬品も増えてきています。
「処方される薬が多いから覚えられない」という声をよく耳にしますが、ご自身が内服されているお薬についてご理解いただくのはとても大事なことです。何の疾患の、どのような症状を改善するために処方されているのか、
ぜひご確認をお願いいたします。

薬は必ずしも万人に効くわけではなく、同じ薬でも向いている方と向いていない方がいます。服用の前には、医師・薬剤師に相談することが大事です。※副作用等についてはスペースの関係で記載しておりませんので、各自ご確認をお願いいたします。

受診の際は、必ず現在と過去の内服薬が記録されているお薬手帳を持参してください。

※商品名(一般名)と記載しております。ジェネリック医薬品は一般名をそのまま商品名としているものが多いです。
※同じ成分の薬を多くの製薬会社が製造販売していますので、薬の画像は一例です。

骨粗しょう症の薬はこちら

痛風・高尿酸血症の薬はこちら

漢方薬はこちら

 

ヒアルロン酸ナトリウム アルツ・ジョイクル
NSAIDs セレコックス(セレコキシブ)・ロキソニン(ロキソプロフェン)など
解熱鎮痛剤 カロナール(アセトアミノフェン)
筋緊張改善剤 ミオナール(エペリゾン)・テルネリン(チザニジン)など
弱オピオイド製剤 ワントラム・トラマール・トラムセットなどのトラマドール製剤
SNRI サインバルタ(デュロキセチン)
神経障害性疼痛治療剤 リリカ(プレガバリン)・タリージェ(ミロガバリン)
末梢神経障害治療剤 メチコバール(メコバラミン)
経口プロスタグランジンE1誘導体製剤 オパルモン・プロレナール(リマプロストアルファデクス)
経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体製剤 ドルナー・プロサイリン(ベラプロスト)
ビタミンE製剤 ユベラ・ユベラN(トコフェロール酢酸エステル)
5-HT2 拮抗剤 アンプラーグ(サルポグレラート)
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤 ノイロトロピン
経口抗生物質製剤 ケフラール(セファクロル)・メイアクト(セフジトレンピボキシル)
外用剤(経皮吸収型鎮痛消炎剤) モーラス(ケトプロフェン)・ロキソニン(ロキソプロフェン)など
皮膚軟化剤 スピール膏(サリチル酸)
血行促進・皮膚保湿剤 ヒルドイド(ヘパリン類似物質)

 

 

ヒアルロン酸ナトリウム

アルツスベニールなど(ヒアルロン酸ナトリウム)

適応症:変形性膝関節症・肩関節周囲炎

ジョイクル(ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム)

適応症:変形性膝関節症・変形性股関節症
★当院では、アナフィラキシー等の重篤な副作用が報告されたことから、当面の間は使用を見送る方針です。

※厚生労働省は2021年6月1日、ジョイクル関節注30mgについて、5月16日の発売直後から重篤なショックやアナフィラキシーが複数発現していることから、添付文書の「警告」欄を新設し、「重要な基本的注意」を改訂すると共に、「安全性速報(ブルーレター)」を発出し、医療従事者に注意喚起を開始した。投与を受けた患者が帰宅後にアナフィラキシーを起こしたケースもあることから、投与後少なくとも30分間は医師の管理下で患者の状態を観察することや、緊急時に十分な対応のできる準備をしたうえで投与することなどを求めている。
同剤は、3月23日から5 月 28 日までの間に、重篤なショック、アナフィラキシーの症例が 10 例報告された。因果関係は不明ながら、死亡例も1例含まれている。なお、推定使用患者数は約5500人。
→薬事日報サイト

ヒアルロン酸について詳しくはこちら

ジョイクル 関節注30㎎を使用されている方へ

 

NSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛薬)

 

NSAIDsは鎮痛薬として最も用いられている薬です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化管出血の副作用、また、腎機能を低下させたり、心筋梗塞や心不全などの病気を悪化させることもあります。医師と相談して内服してください。

セレコックス®錠100mg(セレコキシブ)


COX-2選択的阻害薬と呼ばれ、炎症反応にかかわる特定のシクロオキシゲナーゼ(COX-2)を選択的に強く阻害し、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの合成を抑えることにより、消炎・鎮痛作用を示し、炎症や痛みを和らげます。
COX-1への影響が少ないため、他のNSAIDsに比べ、胃腸障害の副作用が少ないと考えられます。ただ、注意が必要なことに変わりなく、胃潰瘍や胃出血など重い胃腸障害を起こす危険性がまったくないとは言えません。

通常、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎の治療とその症状の消炎・鎮痛や手術後、外傷後、抜歯後の消炎・鎮痛に用いられます。

変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎:通常、成人は1回1錠(100mg)を1日2回、朝・夕食後に服用します。
関節リウマチ:通常、成人は1回1〜2錠(100〜200mg)を1日2回、朝・夕食後に服用します。
手術後、外傷後、抜歯後:通常、成人は初回のみ4錠(400mg)、2回目以降は1回2錠(200mg)として1日2回服用します。服用間隔は6時間以上あけてください。
頓用の場合は初回のみ4錠(400mg)、必要に応じて2回目以降は1回2錠(200mg)を6時間以上あけて服用します。ただし、1日の服用は2回までです。

※妊娠中の方にもセレコックスは処方されますが、マウスの実験で胎児に副作用が報告されているため、妊娠後期の方には処方しません。発熱や頭痛、歯痛など、どうしても痛みを抑えたいというときに、妊娠後期でなければセレコックスを処方することがあります。

ロキソニン®(ロキソプロフェン)
ボルタレン®錠・サポ(ジクロフェナク)
ハイペン®(エドトラク)
ソレトン®・ペオン®(ザルトプロフェン)

 

解熱鎮痛剤

カロナール®アセトアミノフェン)


作用のおだやかな解熱鎮痛薬です。皮膚の血管を広げて熱を放散させる作用や、脳の痛みの感受性を低下させる作用があります。ただし、対症療法薬ですので、熱や痛みの原因そのものを治すことはできません。
発熱時のほか、頭痛や歯痛、生理痛などに広く適用します。腰痛や関節症にはやや多めの量が用いられます。また坐薬は、子供や赤ちゃんの解熱によく処方されています。炎症(腫れ)をとる作用は弱いので、関節リウマチなど強い炎症をともなう痛みには向きません。

実績のある安全性の高い解熱鎮痛薬です。NSAIDsと呼ばれる一般的な鎮痛薬とは作用機序が違います。シクロオキシゲナーゼの阻害作用がほとんどなく、胃酸から胃壁を守るプロスタグランジンにほとんど影響を与えないため、NSAIDsに比べ消化管出血の副作用が少なく長期の使用も比較的安全です。海外では各種疼痛の基本薬として広く用いられています。炎症をともなう激しい痛みには不向きかもしれませんが、軽度から中等度の広範な痛みに適用可能です。開発が古く、安価なのも利点です。2010年に変形性関節症の効能が追加され、1回1000mg、1日総量4000mgを限度とする用量拡大についても承認されました。多めに用いることで鎮痛効果の増強が見込めますので、整形外科領域をふくめ、鎮痛薬として処方される機会も増えてきています。

中枢神経に働きかけて解熱鎮痛効果を発揮します。また、体温調節中枢に直接作用して熱放散を増大させて熱を下げます。
通常、頭痛、腰痛、歯痛、変形性関節症などの鎮痛、急性上気道炎、小児科領域の解熱・鎮痛などに用いられます。

頭痛、腰痛、歯痛、変形性関節症などの鎮痛:通常、成人は1回1.5〜5錠(300〜1,000mg)を服用し、服用間隔は4〜6時間以上とします。1日総量として20錠(4,000mg)を限度とされます。空腹時の服用は避けてください。
急性上気道炎
:通常、成人は1回1.5〜2.5錠(300〜500mg)を頓用します。原則として1日2回まで、1日最大7.5錠(1,500mg)を限度とされます。空腹時の服用は避けてください。
小児科領域における解熱・鎮痛
:通常、幼児および小児は1回体重1kgあたり主成分として10〜15mgを服用し、服用間隔は4〜6時間以上とします。1日総量として60mg/kgを限度とされます。ただし、成人用量(1回最大用量は主成分として500mg、1日最大用量は1,500mg)を超えることはありません。空腹時の服用は避けてください。

※市販のカゼ薬や解熱鎮痛薬の多くにアセトアミノフェンが配合されています。この薬と重複することになりますので、これらとの併用は避けてください。

※肝障害の副作用があるため、変形性関節症など慢性疾患の治療のために1500mg/日を超えるような高用量を長期服用する場合は、定期的に肝機能検査を行いましょう。

※カロナールは比較的副作用が少ない薬なので、子供や妊婦にも処方されます。
 また穏やかや効果の鎮痛剤で、高齢者の痛みにも投与されます。

 

筋緊張改善剤

ミオナール®(エペリゾン)
テルネリン®(チザニジン)

 

弱オピオイド製剤

ワントラム®(トラマドール)
ツートラム®(トラマドール)
トラマール®(トラマドール)
トラムセット®・トアラセット(トラマドールとアセトアミノフェンの合剤)

 

慢性疼痛治療薬の副作用対策

弱オピオイド製剤、SNRI、神経障害性疼痛治療剤は現在では慢性疼痛の治療には不可欠の薬剤です。しかし患者さまによっては悪心・吐き気、めまい、便秘といった副作用が出現することがあります。これらの副作用に対して、当院では以下の薬剤で対策しております。

悪心・吐き気 
・ガスモチン®(モサプリドクエン酸塩水和物)5㎎ 1回1錠(5mg)を1日3回食前または食後に服用
・ナウゼリン®(ドンペリドン)10㎎ 1回1錠を1日3回食前に服用
・プリンペラン®・エリーテン®(メトクロプラミド)5㎎ 1回1錠を1日3回食前に服用
上記は当院では骨粗しょう症治療薬の中の骨形成促進剤であるテリパラチド製剤(テリボン®、フォルテオ®)の悪心対策としても用いています。
・半夏瀉心湯(ツムラ⑭はんげしゃしんとう 神経性胃炎の病名で処方可能)
・六君子湯(ツムラ㊸りっくんしとう

便秘 
・スインプロイク®(ナルデメジントシル酸塩錠)を1回0.2mgを1日1回経口投与

めまい 
・苓桂朮甘湯(ツムラ⑲りょうけいじゅつかんとう めまい症の病名で処方可能)
・五苓散(ツムラ⑰ごれいさん むくみのある方に)
・半夏白朮天麻湯(ツムラ㊲はんげびゃくじゅつてんまとう)

 

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

サインバルタ®(デュロキセチン)



中枢神経系の痛みを抑制する経路に作用し、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、痛みを和らげます。
通常、慢性腰痛症、変形性関節症にともなう疼痛、線維筋痛症、糖尿病性神経障害の治療に用いられます。

慢性腰痛症、変形性関節症、線維筋痛症にともなう疼痛:通常、成人は1日1回朝食後に20mgから服用を開始し、1週間以上服用継続した後に1日40mgに増量し、さらに40mgを1週間以上服用継続した後に1日60mgに増量します。
必ず指示された服用方法に従ってください。

飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近いときは、1回とばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。

医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。急に薬を中止すると不都合な症状があらわれることがあります。

糖尿病性神経障害にともなう疼痛:通常、成人は1日1回朝食後に20mgから服用を開始し、1週間以上服用継続した後に、1日40mgに増量されます。症状により、40mgを1週間以上服用継続した後に効果不十分の場合は、1日60mgまで増量されることがあります。

眠気、めまいなどが起こることがありますので、自動車の運転や危険をともなう機械を操作する際は十分注意してください。また、これらの症状を自覚した場合は、自動車の運転や危険をともなう機械の操作は避けてください。

腎障害、閉塞隅角緑内障がある方は、基本的には内服しないほうがよいです。

口渇・口乾の副作用に対しては、以下の漢方薬が有効といわれています。
温清飲(ツムラ57うんせいいん)
温経湯(ツムラ106うんけいとう)
麦門冬湯(ツムラ29ばくもんどうとう)
白虎加人参湯(ツムラ34びゃっこかにんじんとう)

サインバルタのパンフレット

 

神経障害性疼痛治療剤

リリカ®(プレガバリン)



これからリリカによる治療を始められる方へ
リリカを服用する方とそのご家族へ

 

タリージェ®(ミロガバリン)


タリージェを処方された患者さんへ

 

末梢性神経障害治療剤

メチコバール®(メコバラミン)

 

経口プロスタグランジンE1誘導体製剤

オパルモン®・プロレナール®(リマプロストアルファデクス)

 

経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体製剤

ドルナー®・プロサイリン®(ベラプロスト)

 

ビタミンE製剤

ユベラ®・ユベラN®(トコフェロール酢酸エステル)

 

 

5-HT2 拮抗剤

アンプラーグ®(サルポグレラート)

 

ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤

ノイロトロピン®

 

経口抗生物質製剤

ケフラール®(セファクロル)
フロモックス®(セフカペンピボキシル)
メイアクト®(セフジトレンピボキシル)
ケフレックス®(セファレキシン)

 

外用剤(経皮吸収型鎮痛消炎剤)

鎮痛剤の貼り薬ですが、大きく分けてパップ剤とテープ剤に分けられます。パップ剤とテープ剤は数多くの商品がありますが、どのように使い分けるのが良いのでしょうか?「どっちが良いの?」と質問されることがありますが、その効果に関してはあまり差はありません。

差が出るとすると、「光線過敏症」や「かぶれ」などの副作用かと思います。
光線過敏症だけでなく、蒸れるとかぶれによる痒みなども気になりますよね。テープ剤は、剥がれにくい分パップより密着するので、はがすときに皮膚の角質まではがしてしまう事があるため、パップ剤より刺激が強くかぶれやすいことがあります。対策としては、剥がすときになるべくゆっくりと、皮膚を抑えながらはがすように心がけてください。

パップ剤とテープ剤とはなにか?

パップ剤とテープ剤はどちらも貼付剤(ちょうふざい)に分類され、消炎鎮痛によく利用される外用剤です。
パップ剤は貼る部分が白い昔からある貼り薬で、水分を含む膏体(粘着剤)の層があり、いわゆる湿布と言われるもの。貼ると冷たく感じる冷感タイプと温かく感じる温感タイプがあります。

これに対しテープ剤は粘着力が強くて伸縮力にすぐられている素材を利用した薄いシート状で、多くの商品は肌色で貼り付きが良いタイプです。パップ剤に比べ目立たない、剥がれにくいなどの特徴がありますが、冷感や温感はなく、人によってはややかぶれやすいデメリットがあります。

薬の成分はパップ剤とテープ剤で共通のものが多いです。

パップ剤は、水分を多く含んだ厚みのある素材を使用しているためひんやりとして患部を冷やす効果があり、かぶれが起きにくいメリットがあります。それぞれの特徴で上手に使い分けしたいですね。

パップ剤がおすすめの方

パップ剤が向く状態は主に冷やしたり温めたりしたい場合です。パップ剤は水溶性の高分子(水含有量:40~60%)なので、水分が気化することによる冷却効果で皮膚の表面温度を下げる効果があります。打撲や捻挫などをした直後の痛み(急性の炎症や痛み)で、患部が腫れ、熱を持っている場合は冷感タイプがお勧めです。慢性的な痛みで温めた方が良い場合は温感タイプもよいでしょう。パップ剤は貼っているときの気持ちよさがありますので、すぐに効果を実感したい方に向いています。

また、テープ剤ほど強く密着しないため肌が弱い方にもおすすめできます。剥がれやすいので長時間貼ることが難しいことがあり、関節など動く部位ですぐに剥がれてしまって困る、という方には向きません。
最近では特有の匂いを抑えたものが多いですが、色が白いことも多く、厚みもあり、外観は目立ちやすいです。

テープ剤がおすすめな方

目立ちにくいことと、剥がれにくいことがテープ剤の大きな特徴です。患部が衣服で隠れない場所や、肩や肘、膝など動きの大きい関節部であればテープ剤がおすすめです。また、パップ剤に比べて匂いが弱い商品も多いので、食品関係にお勤めの方にも向いています。
しかし、テープ剤は剥がれにくい反面、密着性が高く剥がすときに痛みを感じる方も多いようです。
購入されるお客様には周りの皮膚を押さえながら少しずつ剥がしてください。また水で濡らしながら剥がす方法も効果的です。

腰などの動きが少なく広い部位で、かぶれが気になる方にはパップ剤がおすすめとなります。

外用剤の副作用

湿布には副作用が少なく気軽に使えるイメージがありますが、医薬品であることに変わりはないので個人差はあるものの副作用を起こす方もいます。
痛みが続くからといって1日以上貼り続けると、有効成分のほとんどが皮膚へ移行しているため効果はほとんどありません。さらに、長時間テープ剤を貼ってしまうことによりかぶれなどの皮膚トラブルを起こす可能性が高くなりますので、用法用量を守って使用してください。皮膚が弱い方は貼る時間を短くするか、パップ剤など皮膚刺激が少ない薬剤への変更など検討してみてください。
テープ剤、パップ剤の共通の副作用としては長時間貼ることでかぶれることがあり、接触皮膚炎ともよばれています。かぶれを放置すると全身に皮膚炎が拡大して重篤化するおそれもありますので症状があらわれたら使用を中止してください。
また、妊婦や胎児に対する安全性が確認されていないため、妊娠中、妊娠の可能性のある方は医師に相談する必要があります。特に、妊娠後期には使用ができないことあるので注意してください。その他にも注意すべき副作用に光線過敏症とアスピリン喘息などがあります。

 

モーラステープ®・モーラスパップXR®(ケトプロフェン)



モーラスは、痛みや炎症を抑える目的で使用される貼付剤です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されており、成分としてはケトプロフェンというものが配合されています。
テープだけでなくモーラスパップXRというパップ剤もあります。
大きさはテープは7cm×10cm、テープL・パップXR120mgは10cm×14cmとなっています。

関節リウマチや変形性関節症、変形性脊椎症、肩関節周囲炎など様々な部位の鎮痛に使われます。
モーラス以外の外用剤の効能には関節リウマチに適応がないものも存在しているので関節リウマチの治療をされている患者にも使いやすいお薬です。

用法用量としては1日1回患部に1枚貼ってください。皮膚との相性もありますが、8時間ほど貼っていただくのがよいと思います。

ここ数年では薬剤の改良と啓蒙により頻度がかなり減りましたが、モーラスの特徴的な副作用として光線過敏症と呼ばれるものがあります。
光線過敏症は、人によってはモーラスを貼っていた場所に日光の紫外線が当たると赤みやかゆみの伴う発疹、炎症が起きてしまう症状で日光アレルギーとも呼ばれています。光線過敏症は、モーラスを剥がした後でも薬効成分が皮膚に残るため日光の紫外線が当たることで引き起こされてしまうので注意が必要です。対策としては日光が当たらないように服の下に隠れるようにモーラステープを貼ったり、日光が当たる露出部には使用しないことです。どうしても服からはみ出てしまう場合にはサポーターなどの布を被せるようにしましょう。

ロコアテープ®(エスフルルビプロフェン)

ロコアテープは、変形性関節症の痛みや炎症を改善する目的で使用されるテープ剤です。パップ剤はありません。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されており、成分としてはエスフルルビプロフェンが配合されています。変形性関節症にしか保険適応がありませんが、痛みや炎症を改善する効果に優れており、最近は使用される方が増加しています。
ロコアテープの大きさは10cm×14cmです。はっか(ミント)の香りがします。

用法用量としては1日1回患部に1枚を貼ってください。皮膚との相性もありますが、6~8時間ほど貼っていただくのがよいと思います。1日の最大使用量が2枚までと決められておりますので、1日に2部位までしか使用することができません。

粘着力がやや強く、はがすときの刺激が強いため人によってはかぶれるおそれがあり、当院でははがす際にシャワーなどで濡らしながらゆっくりはがしてもらうように説明しています。

ロキソニンテープ®・ロキソニンパップ®(ロキソプロフェン)

ロキソニンテープ・パップは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されるロキソプロフェン水和物という成分を含んだ貼付剤です。ロキソニンテープは変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛に対して、炎症を抑えることで痛みを抑えたり、腫れを抑える効能を持っています。

医療用医薬品としてのロキソニンテープは50mgと100mgという規格があり、大きさが違います。ロキソニンテープ50mgは7cm×10cm、ロキソニンテープ100mgは10cm×14cmとなっています。
病院やクリニックなどで医師が診察をした上で処方箋を作成してから薬局で処方箋をもとに薬剤師が渡したものを使います。原則としてロキソニンテープ50mg、100mは処方箋がないと手に入れることはできません。
しかし市販薬として医療用と同じものが販売されています。ロキソニンSテープとロキソニンSテープLという名称で販売されていますが、製造している会社も同じで有効成分と配合量、添加物までもが医療用と同じものです。その他にもロキソニンSパップも販売されていて、こちらも医療用のロキソニンパップと同じです。
内服薬のロキソニンSは第1類医薬品であるため薬剤師が不在だと購入ができませんが、ロキソニンSテープは第2類医薬品に分類されるので薬剤師が不在でも購入できます。
ドラッグストアの店舗営業時間内であれば、病院やクリニックへの受診が時間的に難しい場合やとりあえず痛みを抑えたいけど効果がしっかりしているものが必要という方には保険が効かないので高額ですがロキソニンSテープを使うのも選んでみるといいでしょう。
セルタッチ®テープ・パップ(フェルビナク)
ゼポラス®テープ・パップ(フルルビプロフェン)
ボルタレン®テープ(ジクロフェナク)
ラクティオンパップ®(インドメタシン)
スミル®スチック・テープ(フェルビナク)


ナパゲルン®クリーム・ローション(フェルビナク)

インテバン®クリーム・外用液(インドメタシン)

 

皮膚軟化剤

スピール膏®(サリチル酸)


スピール膏は、サリチル酸の角質軟化溶解作用を利用した角質剥離剤です。厚く硬くなった皮ふをやわらかくし、うおの目、たこ、いぼの角質を取り去ります。また、付属の保護用パッドにより患部を守り、外部からの刺激による痛みをやわらげます。市販でも購入できますが、その場合は保険適用外となります。

効能・効果
うおの目、たこ、いぼ

用法・用量
本品を患部より少し小さめに切って貼り、ズレないように固定用テープでしっかりとめ、2~5日毎に新しい薬剤と交換してください。

 

血行促進・皮膚保湿剤

ヒルドイド®ソフト軟膏・ローション(ヘパリン類似物質)


ヘパリン類似物質とは、医療用医薬品の皮膚保湿剤です。保湿のほか抗炎症・血行促進作用があり、乾燥やアトピーによる皮膚疾患や肌荒れ治療などに使用します。

最近ではその保湿力の高さから一般的な需要が高まり、保険適用外ではありますが市販でも購入できるようになりました。香料などの刺激となる成分がほとんど入っておらず、乾燥によるお肌のザラつきやかゆみ、皮むけでお悩みの方にもお使いいただけます。

効能・効果 
血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)

用法及び用量
通常、1日1〜数回適量を患部に塗擦又はガーゼ等にのばして貼付する。

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