湿潤療法
当院では、キズには主に湿潤療法を行っています。湿潤療法とは、切り傷、擦り傷、やけど、褥瘡などに対し、消毒をしない、 乾かさない、水道水でよく洗うを三原則として行う治療法です。
従来の治療法では、傷を消毒し、ガーゼを毎日交換するのが一般的でした。
しかし、傷口を過度に消毒すると、細菌よりも人の正常な細胞のほうが大きなダメージを受けてしまいます。 また、傷口にガーゼを当てると、せっかく出てきた傷を治すための浸出液がガーゼに吸い取られてしまいますし、ガーゼをはがす際に痛みを伴うばかりでなく、傷にこびりついたガーゼをはがすことによってまた出血してしまいます。
当院では、湿潤創傷被覆材(ハイドロサイト)などを用いて治療しております。
湿潤療法のメリット
・傷が早く治る
・傷あとが残りにくく、きれいに治る
・傷を密閉環境におくことで、感染が抑えられる
・乾燥したガーゼを傷からはがすのに比べ、神経への刺激が少ないために痛みが少ない
傷の状態によっては湿潤療法が適さない場合(深部感染している傷、骨や関節へ達する傷、浸出液が多すぎる傷など)もありますので、整形外科医の診察を受けましょう。
浸出液や出血が特に多い場合は湿潤療法が適さないこともあり、そのような場合はガーゼを用いますが、その際もガーゼをはがす際の痛みや組織損傷を防ぐために、当院では非固着性ドレッシング材(アダプティック)を使用しております。