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体外衝撃波療法

体外衝撃波治療とは

1980年代から体外衝撃波療法は、結石破砕治療として腎臓結石などの治療として一般的に用いられています。ヨーロッパでは近年、整形外科領域の腱付着部障害や骨性疾患においても低出力の衝撃波が利用されるようになりました。

・衝撃波の出力と体外衝撃波治療

 

・体外衝撃波疼痛治療の効果

短期的な除痛効果としては、神経に対する効果が考えられています。

  • 自由神経終末を減少させる
  • 神経内の痛みに関わる伝達物質(CGRP、Substance-P)を減少させる

また、長期的な除痛効果として、組織修復効果が挙げられます。細胞に直接的に刺激を与える結果、血管新生、コラーゲン産生を促す成長因子が産生されることが確認されています。また炎症の要因となっているMMPやILなどのサイトカインの発現が抑制されることも報告されています。

 

・体外衝撃波治療の適応

参考)国際衝撃波治療学会(ISMST)の適応疾患

慢性的腱障害
足底腱膜炎、アキレス腱炎、上腕骨外側上顆炎、石灰沈着性腱板炎、腱板炎、膝蓋腱炎、大転子部痛
骨修復機能異常
骨折遷延治癒、疲労骨折、偽関節
(早期の)無腐性骨壊死、(早期の)離断性骨軟骨炎

 

・衝撃波とは

衝撃波とは、音速を超えて伝わる圧力の波です。
衝撃波は、同じような音響的特性を持つ物質内をまっすぐ進み、音響抵抗値の異なる組織との境目で衝突、屈曲、反射します。

超音波とは異なり減衰しにくいことから、深部に対して照射することが可能です。また非連続な波形であることから、熱が発生しにくい為、出力を強くすることが可能です。

 

・衝撃波の圧力分布

円筒型の電磁コイルで発生させた衝撃波はパラボラ型反射体で収束され、水を充填した治療ヘッドから患者皮膚へと伝播されます。

収束した衝撃波による圧力は、焦点の中心を頂点として分布します。約半分の機械的圧力が及ぶ領域を焦点サイズと呼び、デュオリスの焦点サイズは長さ30㎜×幅5㎜のラグビーボール形状です。

 

・体外衝撃波の直接的影響

体外衝撃波のエネルギーの放出は、音響抵抗値の異なる境目で生じます。しかし、均質的な媒介(組織、水)などではほとんど起こりません。衝撃波は周囲の組織に影響を与えずに深部に対して効果を発揮することができます。

しかしながら、軟部組織の中の音響抵抗値のほとんど違いのない境目においても、衝撃波により若干の弾みが生じます。出力に応じて、機械的に細胞を破壊することと同様に、細胞膜を繰り返し変形させることで細胞に刺激を与えることができます。このようにして組織構造を刺激することが可能となります。それは治癒のプロセスにつながります。体外衝撃波疼痛治療の効果として、血液循環が向上し、代謝が促進されることはしばしば観察されます。

 

・体外衝撃波の間接的影響

体外衝撃波の直接的な影響に加えて、いわゆるキャビテーションが水や組織の中でも起こります。キャビテーションの崩壊はミクロのジェット水流を生じさせます。これは高いエネルギー量と貫通する力があります。その結果、これらは硬い結石を溶かすだけでなく、細かい血管壁を貫通します。

 

・衝撃波と圧力波

圧力波は、圧縮空気を使い筒中の金属を振動させて発生させます。衝撃波の波形の持続時間が0.2μSに対し、圧力波は0.2~0.5mSと長いことが特徴です。

衝撃波とは異なり、圧力波は皮膚表面において最大のエネルギーが伝播し、深部にいくにつれて減衰します。その為、治療は20㎜以下の浅部に限られます。

圧力波は軟部組織をマッサージし、組織の柔軟性を向上させる効果があります。

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