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プロロセラピー

プロロセラピーProlotherapy 高張ブドウ糖液注射)は、体内の構造物に対して刺激物を注入する治療法です。

刺激物を注射することで意図的に炎症を引き起こし、その後に生じる組織修復や成長因子の活性化を促す効果、
注射剤により異常血管を硬化・退縮させ、各種成長因子(組織の修復を促すタンパク質)の増加を促す効果があると言われており、
tendinopathy(=腱の炎症・変性・損傷により生じる痛み)に対して有効と考えられています。

炎症は、生体の恒常性を構成する生理学的反応の一つであり、恒常性を正常に維持するための防御機構ですので生きていく上でなくてはならない反応です。
プロロセラピーはこの反応を利用した治療法です。

主にアメリカなど海外で積極的に行われている治療法で、さまざまな種類の高浸透圧注射剤が利用されてきましたが、現在では高張ブドウ糖液が一般的に使用されています。

高齢者、妊婦、授乳中、糖尿病・高血圧等の生活習慣病をお持ちの方でも施行できます。
抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用中の方でも可能ですが、受診時にご相談ください。

 

プロロセラピーの実際の流れ

超音波で患部の観察を行い、腱の変性の領域や血管増生の位置をもとに、薬液の注入を行う部位を決定します。

皮下から腱周囲にかけて局所麻酔を行った後、腱内や腱周囲滑液包に10%ブドウ糖液を注入します。

1回の所要時間は5~10分程度です。週1~2回程度の頻度で、場合によりますが3~5回くり返して行います。

施術すぐに日常生活に復帰できますが、局所の安静を保つため、サポーターあるいはテーピング等を使用することがあります。

注射後の痛みの改善に応じて、患部に負担のかかる動作やスポーツを徐々に再開していきます。

 

プロロセラピーの副作用

最も注意すべき副作用は、意図的に局所炎症を引き起こすために生じる注射部位の痛みです。

刺激物の注入により起こされた炎症に伴う痛みは注射後3~4日間ほど生じます。

注射後の痛みが生じる期間の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用や患部のアイシングは、注射により引き起こされた炎症を抑制してしまう可能性があるため、避けてください。
痛みが強い場合はアセトアミノフェン(カロナール)の内服をお勧めしております。

 

適応疾患

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、膝蓋腱炎、肩腱板炎、肩腱板損傷、アキレス腱炎、足底腱膜炎 など

 

費用

当院ではトリガーポイント注射として保険請求しますので、健康保険の適応となります。
保険点数は80点(1点=10円)となります。3割負担の方では、自己負担額は240円です(その他、診察費、薬剤費がかかります)。

 

参考文献:面谷透. 超音波を用いたtendinopathyの診断と治療. 整形外科. 2022,Vol.73(6) p.667-673

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