PFC-FD療法
2024年4月1日、PFC-FDが PFC-FD(2.0) にアップデートしました。
↑提携先のセルソース(株)提供の資料によると、
従来のPFC-FDと比べ、PFC-FD(2.0)では安全性はそのままで、
細胞組織修復や抗炎症機能を持つ成長因子を10倍前後多く含有している製法にアップデートしています。
従来のPFC-FDよりも効果を期待できるデータです。
さらに新たなデータが発表されましたらこちらでご紹介していきます。
- PFC-FD療法、PRP療法とは
自己修復力を高める
PRP療法は自己修復力(傷ついた組織を自ら治す力)を高める効果があります。自己修復力を活性化することで障害部位の治癒を促進したり、炎症を抑えることで痛みを軽減させたりすることが期待できます。手術を行わず自らの治癒能力を引き出すことがこの治療方法の最大のメリットです。そうした効果の秘密は、血小板が分泌する”成長因子”という物質にあります。成長因子には、炎症を抑えるものや組織の修復を助けるものなど、さまざまな種類があることがわかっています。慢性的な関節の痛みや腱や筋肉の損傷に対して、自身の持つ血小板の成長因子を使い組織の治療をする治療法です。
海外では一般的な治療
PRP療法は、海外ではとてもポピュラーな治療法で、以前からさまざまな疾患に対して行われてきました。例えば変形性膝関節症のように、痛みが慢性化しやすい難治性の病気にも効果的で、PRP療法を行ったことで炎症が抑えられたり、PRP療法後1年に渡って痛みの緩和・膝の機能改善効果が続いたなど、多くの報告があります。また、スポーツ選手が手術を受けずに治療したい場合など、近年スポーツ障害の分野でも注目を浴びています。メジャーリーガーの大谷翔平選手や田中将大選手が肘の治療として受けたことをご存知の方も多いでしょう。
そして近年、PRP療法は日本にも徐々に浸透してきており、変形性膝関節症やケガの治療に選択する人が増えています。
PRP療法の特長
●自己修復力を利用するため、自然で長期的な効果が期待できます。
●関節、筋、腱、靭帯、骨や自己修復が難しい組織も修復可能です。
●手術と違って負担が少なく、何度でも処置を受けられます。
PRPの有効成分を濃縮、成長因子が2倍
当院はPRP療法の中でも、PFC-FD療法という治療を採用しています(新潟市内初導入)。従来の一般的なPRP療法では、患者さまの血液を採取し、血液を遠心分離機にかけることで血小板を多く含んだ血漿(PRP)を分離し作られます。一方、当院で扱うPFC-FDはもう一手間かけ、組織修復に有効な成長因子のみを濃縮し「血小板由来成長因子濃縮物」を精製し、活性化させたものを無細胞化したうえでフリーズドライ加工するといった工程で精製されます。当院で扱っているPFC-FDは、含まれる成長因子の総量が通常のPRPの約2倍であるというデータもあります。成長因子には組織の修復を促す作用がありますので、これを患部へ注射することで自己修復力がより高まり、組織損傷の修復を促し、痛みや炎症の軽減へとつながります。
治療後の痛みが少ない
従来のPRP療法を受けた後には、正常な反応として強い痛みや腫れが出ることが多いですが、これはPRPに含まれる細胞(マクロファージという白血球の一種)が働いているためと言われています。
一方、当院で行うPFC-FD療法は成長因子のみを濃縮して使用しますので、細胞は含まれていません。そのため治療後の反応痛は非常に少なくなっています。
治療に伴うリスクが少ない
治療のリスクが少ないのも、PFC-FD療法の特長です。例えば、手術が不要であること。手術には血栓や感染といった合併症のリスクがあるため、不安視する方も多数おられます。形性膝関節症で医師に手術を勧められた方のうち、実際に手術を受けられる方はわずか数%と言われています。そういった方が、注射のみで受けられるPFC-FD療法を選択されるケースが多くなっています。
また、自分の血液を使った治療のため、拒否反応やアレルギーといった副作用もほとんどなく、安心して受けられる治療です。
期待できる効果
- ケガ、傷の修復速度の向上(加速)
- 損傷後、治りにくくなった部位で、再度治癒プロセスの活性化(再構築)
- 組織の硬さや柔軟性を元の状態に近づける(組織の変化、物性の変化)
- 痛みの感じ方を変化させる(疼痛受容器の変化)
PFC-FD療法の適応疾患
PFC-FD療法は、最近では以下に紹介する様々な疾患に用いられるようになってきました。
変性疾患の治療だけではなく、スポーツに伴う炎症や外傷の治癒を促進し早期復帰するために利用されています。
変性疾患
・変形性膝関節症 (軟骨がすり減ることで生じる関節の痛み)
変形性膝関節症の治療においては、従来は保存的治療(外用薬、内服薬、装具、関節内ヒアルロン酸注射、物理療法、理学療法など)と手術療法(骨切り術、人工関節置換術)しかありませんでしたが、PFC-FD療法はその間に位置づけられる第3の治療選択肢として注目されています。
痛み止めやヒアルロン酸注射などが効かなくなってきたけれど手術は受けたくない、といった患者さまが効果を実感されているケースも多数あります。また、手術を勧められるほど軟骨がすり減る前の時期に、PFC-FD療法を受けるほうがさらに痛みを和らげる効果が高いとも報告されています。
手術をご希望の場合も、幸い新潟県の医療施設における膝関節外科のレベルは非常に高いので、安心して手術を受けていただける環境ですが、PFC-FD療法は保存的治療を継続しても効果が少なかった方にとって、手術を受ける前に考慮すべき治療と言えます。
・変形性股関節症
・変形性足関節症
・変形性肩関節症
・母指CM関節症
・肩腱板損傷(腱板部分断裂)
炎症性疾患
・上腕骨外側上顆炎(テニスなどでよく起こる肘の外側の痛み)
・上腕骨内側上顆炎(ゴルフなどでよく起こる肘の内側の痛み)
・膝蓋腱炎(運動中、運動後などのひざの前面の痛み)
・膝窩筋腱炎(動作時のひざ後面の痛み)
・アキレス腱付着部炎(長時間歩く、走ることになどよる踵背側の痛み)
・足底腱膜炎(歩き始め、長時間歩行などによる足の裏の痛み)
・腱鞘炎(反復動作に伴う手首・足首周辺の痛み)
外傷
・膝内側側副靭帯損傷
・肘内側側副靱帯損傷
・膝半月板損傷
・アキレス腱断裂
徹底した品質管理
当院ではPFC-FDの加工の工程を、厚生労働省から認可を受けた加工施設に委託。無菌の装置を使用するなどし、衛生面を中心に厳しい管理のもとで加工を行っています。また、必要に応じて品質検査を実施しますので、品質や安全性は一定に保たれています。
長期間の保管が可能
PFC-FDはフリーズドライ(凍結乾燥)加工が施されているため、常温で長期間の保管が可能です。例えばお住まいが遠方であるなどの理由から、PFC-FDの完成後すぐに来院できないといった場合でも、問題はありません。ご予定に合わせて治療日を決定いただけますので、ご安心ください。
PFC-FD療法の注意事項
従来のPRP療法と比べてPFC-FD療法では少ないですが、注射後3~4日後くらいは痛みや炎症(熱感、赤み、腫れ、かゆみ)を感じることがあります。その後は自然に消失していきます。
投与後数日は運動や長時間の入浴など、血流がよくなる行動によって治療による痛みが強くなることがあります(治療効果には影響しません)。
採血部及び注入箇所の一時的な痛み、皮下出血の可能性があります。また、採血部及び注入箇所に細菌感染症が起こる可能性は非常に低いですがゼロではありません。
以下の感染症をお持ちの方にはPFC-FD療法を行うことができませんのでご了承ください。
HBV、HCV、HIV、梅毒、HTLV-1
治療の流れ
1.受診直接ご来院ください。特に初回受診時は予約制ではございません。
2.問診・診察これまでに受けた治療の内容や、画像などがあればご持参ください。特にお持ちいただかなくても問題ありません。
罹患部位の診察、所見を確認します。
PFC-FD療法の適応であるかどうかの判断をします。
治療を希望される場合は改めて採血の予定日を決定します。その場で決定せず、よくお考えいただいてからお申込みいただくことも可能ですのでご安心ください。
採血日は原則9:00予約で、1日1名限定とさせていただきます。
3.採血
予定日に静脈から血液を49ml採取します。当院と契約している再生医療センター(特定細胞加工物製造許可施設、厚生労働省認可)に配送します。
4.分離
配送後、検査・加工をしPRP-FDを作製します。作製には3週間ほどを要します。
5.罹患部位へ注入
採血してから3週間以降で改めてご来院いただき、患部にPFC-FDを注入します。エコー検査を用いて確実に疾患部位へ注射します。時間は約5分程度です。注射した日の激しい運動や入浴はお控えください。(シャワー浴は可です)
PFC-FD療法の費用
初回診察・検査、コンサルテーションは保険診療となります。
採血やPFC-FD注入は自由診療(自費診療)として行います。
従来型PFC-FD 98,000円(税込)
2024年4月新設 PFC-FD(2.0) 158,000円(税込)
なお、PFC-FD療法は感染症検査(HIV・HBV・HCV・梅毒・HTLV-1)で陰性の方のみ提供可能です。
検査の結果、提供不可が判明した場合、血液検査代 16,500円(税込)のみご負担いただきます。
本療法は保険適用外の自由診療であり、費用全額を患者さまご自身にご負担いただきます。
医療費控除について
この制度は、国民の医療費負担が高額にならないように国が設けた公的な保障です。
医療費控除用の確定申告書には、支出を証明する書類(領収書など)が必要となります。
医療費控除制度のご利用を予定されている方は、当院が発行いたします領収書を、確定申告まで大切に保管しておいてください。
領収書の再発行は致しかねますのでご注意お願いいたします。
※確定申告の記載方法については、こちら(国税庁)をご参照ください。
PFC-FD療法のQ&A
- Q. 治療には時間がかかりますか?
- 注射自体にかかる時間は約5分程度です。
エコーで確認し、確実に関節内にPFC-FDを注入します。
- Q. 安全性は?
- ご自身の血液を採取し、清潔な状態で搬送、厚生労働省から認可を受けた加工施設に委託。衛生面を中心に厳しい管理のもとで加工、精製を行っています。品質や安全性は一定に保たれておりますので安全性は高いと言えます。
- Q. 副作用はありますか?
- ご自身の血液から精製されるため、免疫反応などの副作用はありません。一般的な注射治療と同じような、注射部位に痛みを感じたり、赤くなったり、腫れたり、熱をもったり、皮下出血を起こしたりすることがあります。これらの副作用は一時的なことが多く、1週間程度でよくなるのが普通です。
- Q. 運動はいつから可能ですか?
- 注射部位によって異なりますが治療当日の激しい運動やマッサージなどはお控えください。腫れや痛みがなければ翌日から通常通り運動をしていただくことが可能です。
- Q. 効果が出るまでどれくらいの期間が必要ですか?
- 即効性はありませんが、数週間から6か月程度で組織の修復が起こり炎症がおさまったり痛みが軽減する効果が認められています。効果や持続時間については個人差があります。症状によっては、複数回注射が必要な場合もあります。